Q4. すぐに辞めるのでは?


家族や友人と離れ、異国の地で言葉も通じない環境で暮らすことは、誰しも心細いものです。
そのような環境で、生活の中心となる職場で何らかのコミュニケーションがとれることは彼らの心の支えになるだけではなく、日本のビジネスマナーやルールを1つ1つ覚えることに役立ち、彼らの暮らしも安定します。
入社初期には、彼らの業務や心理的なケアを担う外国人材に対して前向きな気持ちで相談やアドバイスができるメンターの選任が大切です。また、彼らを定着させるためには、異国の地で働くことに敬意を払い、彼らの思考を否定せずに理解することも必要となります。業務上のやりとりは、期待する役割、目標、情報共有、指揮命令系統など明確にする必要があります。「空気を読んでくれるだろう」、「意図を組み取って仕事をしてくれ」は、通用しません。日本人と区別することなく、彼らに敬意を払い、サポート体制を整えて、明確なやりとりを心がけ、キャリアパスを用意できれば彼らの定着率は高まることでしょう。
また東南アジア圏によく見られる傾向として情に厚く、家族のように横のつながりを大事にする人が多いのが特徴です。「優しくされた」「あの時お世話になった」「親身になって教えてくれた」という感謝の気持ちを持てば、「いつか恩返しがしたい」「ここで長く働きたい」と思う人が多くいるのも現状です。彼らが辞めるには必ず理由があります。それは決して本人の都合だけではない可能性もあり、働く環境によって左右するウエイトが大きいことも事実です。